Startup Hub Tokyo 丸の内 自分の思い、周りにどう伝えればいい? ふたりの女性起業家が語る、ビジネスの始め方。

Society & Business 2024.07.04

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起業することを選んだ女性は、なぜ、どのようにビジネスをスタートさせたの? そんな疑問に答えるセミナーが、さる5月30日、Startup Hub Tokyo 丸の内で開催された。熱い思いを持ったふたりの女性起業家が登壇したイベントの様子をリポート!

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壇上で起業までのストーリーを語る木村千瑛さん(右)と堀口安奈さん(中央)。会場には、これから起業を考えている女性たちの姿もあった。

今回のイベントは、日々の暮らし、そして社会をより良くするビジネスアイデアをもとに起業する女性を応援する「フィガロジャポンBWA Pitch Contest 2024」が7月18日に開催されるのを前に、創業期の起業家や起業を考えている人をサポートする東京都の施設、Startup Hub Tokyo 丸の内とBWAが共同開催。

昨年開催されたBWAピッチコンテストに出場し、ドリームアワードを受賞した飾り付けアイテムブランドSOL LUNA(ソルルナ)の堀口安奈さん、お腹が弱い男性に向けたスタイリッシュな腹巻きパンツ「腸いいパンツ」を開発したLUNDATTE(ルンダッテ)の木村千瑛さんをゲストに招き、起業のストーリーを深掘りした。

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左:堀口安奈(ほりぐち あんな):Adelante(アデランテ)代表取締役。1991年コロンビア生まれ、兵庫県尼崎市出身。大学卒業後、在日外国人支援を行うNPO法人に就職。その後大学院に進学し、外国人女性やその子どもたちの貧困や不安定な生活環境に関する研究を続けながら、それらの課題を解決するための方法を模索。2018年、外国人女性たちの技術と文化を生かした「飾り付けアイテム」のブランドSOL LUNA(ソルルナ)を立ち上げる。https://solluna-partydecorations.com

右:木村千瑛(きむら ちあき):LUNDATTE(ルンダッテ)代表取締役社長。カリフォルニア州立大学でファッションを専攻し、シアトルの老舗デパートにて就業経験を積んだ後に帰国。IT、金融、エレクトロニクス業界などを経て、2023年、「お腹が弱い人を悩みから解放する」ことを目指し、腸と健康を守るヘルスケアブランドを創業。ハイウエストボクサーパンツ「腸いいパンツ®︎」のNY展示会出展に向けて準備中。https://lundatte.com

「起業とは無縁な人生でした」と自身の歩みを振り返るのは堀口さん。コロンビア人の母を持ち、大学院卒業後は外国にルーツを持つ子どもの学習支援をするNPOに勤務。そのなかで、日本語の壁のために就く仕事が限られ、社会からも孤立する在日外国人女性とその子どもの厳しい現実を目の当たりにしてきた。

そんな時、南米文化である「飾り付け」のブランドを日本でいつか立ち上げたい、という夢を持つ在日ペルー人女性のエリカさんと出会う。彼女のような在日外国人女性の得意を生かして雇用を創出し、夢を叶えたいと起業を決意した堀口さんは、「どんなにつらくても、太陽のような笑顔で私たちと接してくれる在日外国人女性たちを、月のように支えるブランドになりたい」という願いをこめて、2018年に飾り付けブランドのソルルナ(スペイン語でソルは太陽、ルナは月の意)をスタートさせた。

一方の木村さんは、成人の7人に1人が悩まされているという「お腹の悩み」を解決したい、と起業を決意した。日本古来の知恵である「腹巻き」から着想を得て、成人男性でもおしゃれに着こなせる360°ストレッチが利いたハイウエストのボクサーパンツ「腸いいパンツ」を2023年に開発。クラウドファンディングサービスで先行販売を開始し、1900%の達成率を誇る話題の製品となっている。

「お腹の悩みが解決されれば、仕事に打ち込めて、日本経済をぐるぐる回すことができる」と語る木村さんだが、その目はグローバル市場も見据えている。「お腹の弱い人は世界人口のうちの20%。彼らに向けたアイテムを提供していきたい、とルンダッテを創業しました」と話す。今年8月にはニューヨークで開かれる北米最大規模の見本市「NY NOW」への出展も決定。「ブリーフ、トランクス、ボクサーパンツに次ぐ、"第4の選択肢"としてのハイウエストパンツを日本から世界に発表する」と力を込める。

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左:堀口さんが、在日外国人女性たちと展開するソルルナの飾り付けアイテム。子どもの誕生日だけでなく、最近は母の日や記念日のプレゼント、推し活のアイテムとしての需要も高まっているという。右:木村さんが展開する「腸いいパンツ」は働く男性も手に取りやすい、スタイリッシュなデザインが特徴。

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自分の「思い」、周りにどう伝えていく?

それぞれの事業紹介をした後は、司会の服部真子さんのリードで、トークテーマに沿ったパネルディスカッションがスタート。会場とオンラインあわせ約200人の参加者に向けて、自らの事業にかける思い、これまでの歩みをざっくばらんに語り合った。

最初に「起業前にいちばん大変だったこと」を尋ねられた木村さんは、「世の中にない製品を生み出すこと」と回答。これまでにない特殊な技術を使って作られたという「腸いいパンツ」が完成するまでの道のりをシェアしてくれた。

「従来の製法とはまったく違うので、アパレルの工場に持っていって説明をしても、自分のイメージがなかなか伝わらなかった。『どうやったら私の頭の中が伝わるんだろう?』と、これまで触ったことのなかった3Dソフトを独学で勉強したり、夜なべして自分でミシンを動かしたりしたことも。世の中にないものを伝えることに、いちばん苦労しました」

その後、100社ほどの企業にアプローチをし、少しずつ情報を手繰り寄せて、最終的に2年ほどで提携企業を見つけたという。「『これって本当にできるのかな? やめたほうが簡単なんじゃないか』というふうに何度も思いました」と振り返る木村さんだが、諦めない気持ちと気合いとで、世の中になかった革新的な製品をクリエイトしていった。

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心が折れそうになった時には、「漫画を読んで栄養をチャージする」という木村さん。「主人公たちが奮闘して、強くなっていく姿を見て、自分を奮起できたら再スタートする。無理に動こうとはしないです」

一方の堀口さんは、起業前にデザイナーのエリカさんらとともにプロダクトを制作。テストマーケティングも順調に進んだが、いざ起業する段階で、先輩起業家たちから「そんなの売れない」「やめておいたほうがいい」と口々に止められたという。しかし、「ただモノを売って雇用を生み出す、ではなく、日本語の障壁があって、就きたい仕事に就けない在日外国人女性たちが、楽しんで、好きなことや文化を大切にして仕事に繋げる、というところを譲りたくなかった」と堀口さん。

そんな自らの経験を踏まえて、「起業する時は、とにかくいろんなアドバイスをされると思う。けれど、自分のビジネスにいちばん詳しいのは自分自身。そう言えるように、知識と自信をつけたうえで、人の話を参考にするかしないかの最終的な判断は自分でする。人の話を聞いて意見がゆらぐのではなく、気持ちを強く持って自分を信じることが起業にはいちばん大切」と、これから起業を目指す人たちに向けてアドバイスを送った。

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「もし、まっさらな状態で起業できるとしたら?」という質問に、「女性起業家のプロデュース事業をしたい」と回答した堀口さん。「私の周りの女性起業家でも、ピッチコンテストや商談で何を着ていけばいいのか?と悩む人がたくさんいる。夫がカメラマンなので、買い物同行などをして宣材写真を撮る、というパッケージプログラムが企画できたらすごくいいんじゃないか、と思っています」

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事業を支える「起業家仲間」の存在。

Startup Hub Tokyo 丸の内では、起業を考えている人に向けた育成プログラム「アントレトーキョー」を、定期的に開催している。起業を志す仲間たちとともに、起業アイデアをどのようにビジネスに繋げていくか、実際にどのようにして資金をつくっていくのかなどをセミナーやワークショップを通じて学べるプログラムで、木村さんも第1期生としてこのプログラムに参加したという。

このプログラムを通じて、相談ができる起業家の仲間が初めて得られたという木村さん。「製品ができる前の"Day1"の時に知り合って、いまも応援してくれる仲間ができたのはすごく強いと思います」と語った。

堀口さんも昨年、BWAピッチコンテストへの出場をとおして、本音を話せる仲間と出会えたと話す。「起業家は、特に"女性"が付くと、とてもキラキラしているというイメージを持たれることが多い。でもキラキラに見えたとしても、毎日95%くらいは這いつくばって仕事をしている。それを理解してもらうのが難しいなか、ピッチコンテストで出会ったのは、自分と同じ悩みを抱えた起業家や起業準備をしている女性たち。本音で自分の弱みを話せる仲間と出会えたことは大きかった」と振り返った。

>>昨年のBWA ピッチコンテストの様子を見る。

自分の思いとアイデアを形にし、仲間とともに力強く進んでいく木村さんと堀口さん。

最後に「事業をとおしてクリエイトしたい世界は?」と尋ねられ、「お祝いを通じて、在日外国人女性の存在を知り、社会を変えるために私も何かやってみよう、と思ってもらう。 また、商品を購入してもらうことで、在日外国人女性の幸せや自己実現に繋がっていく。大切な人のお祝いを通じて、みんなが幸せになる社会を創りたい」と堀口さん。

木村さんは、「お腹が弱い人を、お腹の悩みから解放することが、(起業の)Day1から私がやりたいこと。お腹は大切な部分。ここを大切にすることで、気持ちもキラキラしていく」と、目指す社会を力強く宣言した。

未来の社会をより良く変えていく、ふたりの女性起業家の活躍から今後も目が離せない。

●問い合わせ
Startup Hub Tokyo 丸の内
[email protected]

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photography: Mirei Sakaki

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